自分に合ったベストなキーを設定する方法【前編】

ボーカルのキーの合わせ方
 
 
【ボーカルライフ実践マニュアル】の2つ目は、自分に合ったキーを合わせる方法です。
 
❷自分に合ったベストなキーを設定する方法 の【前編】

ということですが、ボーカリストとしていい状態で歌うためには、キーを合わせることはとって大切なポイントですよね。

キーを合わせないで歌う方も多いと思いますが、合わないキーで歌うプロの歌手はいません。

・・・とは言え、なかなか融通がきかなかったり、実際どのキーがベストなのか自分でもわからなかったりしませんか?

 

陽子
そうなんですよね。カラオケならキーチェンジは簡単だけど、バンドでボーカルをやる時はどうしたらいいのかよくわかんなくて・・・。
ささきひとえ
本当はキーを合わせたいけど遠慮してしまうとか、どうやって伝えたらいいかわからないという方も多いですよね。
 
今回は【前編】ということで、自分に合ったベストなキーを合わせることの重要性と、
音楽的なことがよくわからなくても理解できる<キーについての基礎知識>についてお話しします。ぜひ参考にしてください。
 
 

【1】キーを合わせることは、ボーカルとしての義務

 

どんなキーでも問題なく歌える!というボーカルなら別ですが、そうでないのなら曲ごとにキーを合わせることが大切です。

バンドとしてのパフォーマンスの向上のためにも、素敵に歌うためにも、
自分に合ったベストのキーで歌うということはボーカルとしての義務です。

が、しかーし! それがまかり通らないのが現実。。。

本当はキーチェンジしたいけど、そんなこと言える立場ではないとか、
メンバーに気を使って合わないキーでもしかたなく歌っているというボーカルが多いのが現状です。

ジャズ系のミュージシャンはセッションなどに慣れているので、その場ですぐにキーチェンジできる人もたくさんいますが、JPOPやロック系のバンドだとなかなかそうはいかないことが多いですよね。

「キーチェッジはめんどくさい。」
「できれば原曲キーで〜」

なんて言われてしまうのもわかりますし、実際バンドではカラオケのようにピピッとはいきません。

ボーカルとしても、キーチェンジに関して以下のことを知っておかなければいけません。


【1】キーが変わると楽器の演奏がしにくい場合もある。
【2】キーチェンジすることによって楽器の音が変わってしまう。
【3】何よりもまずボーカルは、多少キーが変わっても歌えるくらい声が使えなくてはいけない。
ということです。

とくに【3】については、大事なポイントです。

とは言え、実際はいくら声がちゃんと使えたからといって、キーが変わると歌の微妙な雰囲気が変わってしまうのも事実。

そういう問題でいうなら、ベストなキーで歌うことは本当に重要です。
なので問題のない範囲であれば、やっぱりキーチェンジはすべきですが、キーを変えるなら変えただけの結果が出せるようにボーカルは練習も必要です。

「変えた意味、なくない?」と言われないようにね(^-^)

 

陽子
そうなんですよね〜。バンドでやる時にキーを聞かれても何かわからないし、それ以前にどのキーがベストなのかも、わかっていない場合が多いです。。

 

自分が歌う曲のベストなキーは何か?をボーカル自身が知らなくは、
「なんか違う・・・」とか「これじゃ歌いにくいけどどうしていいかわからない」ということになってします。

これだとメンバーに余計な気を使わせたり、面倒がられてもしょうがありません。

いちいちボーカルのキー調整に付き合ってくれないし、実際キーチェンジしない方がラクなので。
プロのボーカリストでもない限り、難しいところですね。

ましてバンド慣れしていない方にとっては、ただでさえ「自分なんかのために、わざわざやっていただいているのに。。。」という負い目のようなものを感じていたりするので、なかなか言えずに、キーチェンジを遠慮してしまう方が多いはず。

ですが少しでもいい歌を歌っていくために、ライブなどで歌う曲はできるだけキーを合わせてもらうようにお願いしてみましょう。

 

ボーカルのキー設定

 

ささきひとえ
そしてボーカルも、少しでもベストな演奏をするための「キー設定」についての意識と方法について考える必要がありますよね。

 

【2】「キーチェンジ」についての”あるある”

 

キーチェンジについて、ボーカル自身がこだわっている、よくあるパターンについて。

①自己満足で、原キーにこだわってない?

さて、なぜか多いのが原キーにこだわるボーカル。
バンドのメンバーに遠慮している場合だけでなく、実はボーカル自身が、原キーにこだわっている場合もあるんですね。

原キーで歌える方が歌がうまい?って思っているのもしれませんが、決してそうではありません。

また、時々ロックやメタル、ビジュアル系のボーカルで
「キーチェンジはしたくない」とか「原キーで歌うのがポリシーなんで」という人がいます。

彼らはとにかく高音を出せることが一番のステイタス。

高い声が出せてナンボ・・・という価値観だったりするので、キーチェンジは頑なに拒みます。

それもわかりますよ。確かにバシッと高音が出せるとカッコいい!

・・・でもでも、そういう人に限ってまったく歌えていない事が多いです。

とりあえず原キーで歌えているなら、問題ありません。
でも全く歌えていないのに、ムリやり高音を出そうとして叫んでいるようなボーカルでは、それはただの自己満足。

 

ささきひとえ
そこにこだわる前に、まず声を使えるようにしることが先決です(^-^)/

音程が届かない絶叫は、聴き手にとってキビシイものがあるってことを知る必要があります。

そもそもハードロックやメタルなど、ヘッドボイス系のジャンルをやりたい!というのなら、ボーカルはある程度、自分の声を使えるようにしなければなりません。

実際、ギターのレンジ(簡単に言うと音域)に合わせて曲を作ってあったりするので、キーを変えるとパワフルな感じが出ないとか、サウンド全体の響きや楽器の音色も変わってしまう、という意見も理解できます。

また単純に、キーチェンジすると演奏しにくいという場合もあるでしょう。

 

そういった理由からキーチェンジを嫌がる人ミュージシャンもいますが、ハードロックなどのジャンルに限らず、

・ボーカルのクオリティーを落とすことでバンド全体のイメージを落とすか、
・それでもギターの響きを変えないことを選ぶか、
・ボーカルが一番いい状態で歌える演奏にするか、
・お互いの妥協点を見つけて合わせるか、

もしくは、
・楽器のベストなサウンドを優先させるだけの音楽性に合った、どんなキーでも歌える実力のあるボーカルを見つけるか?

そこはバンドで話し合う必要があると思います。

何を優先させるかはバントによって違うと思いますが、自己満足を押し通すのではなく、聴き手にとってどうか?を優先させることも大事だと思います。

キーチェンジについては、ある程度バンドのメンバーにも理解していただきたいところなのですが、それ以上にボーカル自身が、キーの重要性を理解して、自分に合ったキーが調整できるように頑張りましょう!

 

②「声が出ないと思われたくない」という見栄は捨てる

実際ここまでじゃなくても、キーを下げることに抵抗感のあるボーカルも多いと思います。

「原キーで声が出せないから仕方なく下げてマス。。。(^^;)」みたいに、「声出せないの?」と思われるのが嫌だとか。

でもそれはナンセンス。

声は一人一人違うし、人ぞれぞれに一番いい響きを持つ音があります。

たとえば同じ音程でも、細くて明るめの声質だと実音より高く感じますし、逆に太くて重い声質だと安定感がある低い声に感じたりもします。

それに聴く側は、歌を<音階>でなんて聞いていません。

「サビの高音、ホントはドなのにシで歌ってる。このボーカル、キー下げてるんだ、笑」なんて聞き方をしていません。

もしそういう聴き方をしていたとしたらは、その人は本当の音楽の聴き方を知らないということですよね。

 

今までにもボーカルのキーチェンジについては、マラソンに例えてメルマガなどでも何度かお話してきましたが、

かりにあなたがランナーだったら、サイズの合わないシューズで走るのは、もう論外です。

 

キーはシューズ

 

それはオリンピック選手だからとか、大会に出るからということに関係なく、近所をジョギングするだけでも当たり前のお話し。

合わないシューズで走るのは、パフォーマンスを落とすことは言うまでもなく、ケガなどの危険もありますよね。

歌も同じで、合わないキーで歌うことは、ベストな演奏を放棄しているのと同じです。

プロの歌手だから言うことを聞いてもらえるとか、アマチィアの初心者のくせにキーチェンジなんて生意気な・・・
という次元の話ではないハズ。

実際レッスンでも1曲1曲、キーは毎回必ずきっちり決めます。
曲によっても全然違うので、その人の歌に合ったキーを探すことに結構時間を使うんですよ。

まだあまり声が使えていない場合は、なおさらです。

半音違うだけで同じフレーズがうまくいったり全く歌えなかったりするので、ベストなキーに調整してください。

 

③キーが変わると歌いにくいという人は、なるべく原曲から離れる

また中には、キーが変わるといつも聴いている原曲と違うことに違和感を覚え、わからなくなって歌いずらい・・・という人もいます。

「いつも原曲を聴いているので、キーが変わるとヘンな感じがするから原キーで歌いたいんです。」と言います。

どちらかというと初心者の方に多いです。

「絶対音感があるの?」と聞くと皆さんNoと言うことなので、おそらくイメージの問題だと思います。

きっと原曲の音が頭の中で鳴っていて、いつもそのイメージに沿って歌っているため、キーが変わるとヘンな感じがするんでしょうね。

その人が歌っているのは、自分自身が歌っている実際の歌ではなく、その曲を歌っているボーカルの歌を頭の中で聴いているんだと思います。

そうしているといつまでも自分の歌が歌えません。
またはモノマネから抜けられなくなってしまったり。。。(全くのモノマネコピーバンドの場合はいいけど)

なので、できるだけ原曲のボーカルの歌から離れましょう。

もちろんあなたが歌うんですから、あなたに合ったキーで歌うほうがいいですね。

 

もう一つ、キーチェンジをすると歌いにくい理由として考えられるのは、相対音感が掴めていないことです。 

*相対音感とは??

ある一つの音に対して、もう一つの音はどれくらいの幅なのかが掴めること。

実際のピアノの鍵盤上にあるハ長調の「ドレミファソラシド」の感覚が、ほかの調(たとえば「ファ」からはじまる、へ長調)に変わっても同じ音の幅を捉えられること。

 相対音感がイマイチよく掴めないという方は、カラオケなどのキーチェンジ機能を使ってキーを変えて歌うことに慣れる練習をしましょう。

たいていのボーカルは、感覚的に相対音感がある程度つかめています。
ピアノでボイトレなどするときに、ピアノの音階に合わせて声を出していけるなら大丈夫。

この相対音感が掴めなければ、自分に合ったキーを探すことができません。

一番大事なのは、ボーカル自身の力をつけることです。
ボーカルである以上、ある程度声が使えるようにトレーニングしておく必要があります。

たとえば以下の項目で、当てはまる項目がいくつありますか?

□ 地声、裏声が境目ではっきり分かれている
□ ある音になると声がかすれて出しにくい
□ 高音にいく途中で力が入っていつもフラットしてしまう
□ この音から先の高音は弱々しくて張れない
□ 低音があまり響かない
□ 中音域がブレて音程が不安定になる
□ ファルセットがきれいに出せない
□ 高い声は苦しそうにがなってしまう
□ 声の出し方が悪く、すぐに喉が痛くなる
□ ボリューム感にバラつきがあり、音量レベルが安定しない
□ 全体的に声が響かず、バックの音に負けてしまう

・・・など、これらが全部が完璧にできていなければいけない、ということはありません。ある程度でも良いと思います。

でもこのような問題があれば、

日々少しずつ改善していけるようなボイトレや練習をしていくことも、ボーカルの義務ですよね。

そして、原曲が頭の中を支配している以上、あなたの歌はモノマネになってしまいます。

自分らしく歌うためにも、原曲やその曲を歌っている歌手のイメージから離れて、曲自体を、自分の視点で捉えていくとよいでしょう。

 

【3】ボーカル必見!キーについての基礎知識

 
さて、バンドでボーカルをやる際は、自分のキーをメンバーに伝える必要があります。
 
あなたは自分が歌う曲のキーを、自分で決められますか?
 

わたしのキーって何ですか? 

時々レッスンで「わたしのキーってなんですか?」と聞かれることありますが、それは曲によって違います。
 
◯◯さんのキーは「B」で、△△さんのキーは「F」、ということではありません。
 
この曲は「C」だけど、あの曲は「B」というように曲ごとに違います。
 
 
またキーとは、あなたが使える声の音域のことでもありません。
 
ハ長調とかニ短調とか、その曲を構成している調性のことです。
 
ようは楽譜のはじめについている、ト音記号やヘ音記号の横にある、や♭の数によって、その曲の調が決められているわけです。
 
楽器の経験がある人にとっては当たり前のことですが、そうでない方や私のような感覚派のボーカルにとっては結構面倒くさいですよね。笑
 
なので、それはそんなに必要ではありません(^-^)
 
 
問題は、このアルファベット。
 
つまりキーのことを表しているのですが、 「この曲のキーは何?」と聞かれた時に「Gでお願いします」とか「Fでお願いします」 と伝えるには、まず以下の表にある音階を頭に入れる必要があります。
 
でもすごくカンタン!
 

楽譜が読めなくても、音楽的な難しいことがわからなくても大丈夫! 
覚えればいいだけなので、難しくありません。ぜひ覚えましょう! 

 

一般的な言われ方  ファ
クラシック的な表現 
バンドでの表現(コード) C D E F G A B C
 
 
つまり、ドレミファソラシドを、どのタイプで表現するか?
ということで、意味はどれも同じなわけです。
 
ハ長調の曲のことを、バンド的には「コードはCメジャーで」なんて言うだけです。
 
*メジャーというのは長調。明るめの曲 。
*マイナーというのは単調。暗めの悲しい響きの曲ということ。
 
 
そして「C」とは「ド」の音をトニック(主音)としたメロディーになっているということ。
 
わかりやすく言うと、「ド」の音がメロディーのベースになっていて、 「ド」から始まる「ドレミファソラシド」の中でメロディーが作られているということです。
 

トニック(主音)を掴めばキーがわかる!

 
キーが「G」の場合は、「ソ」の音がベースになっていて、 「ソ」から始まる「ドレミファソラシド」の中でメロディーが作られているということです。
 
つまり「ソ」を「ド」に置き換えた時の「ドレミファソラシド」ってわけですね。
 
これもなんとなくの感覚でわかります。
 
 
 
たとえば、「かえるの歌」の場合。
 
*キーが「C」だと、メロディーは、
 
高橋
♪ ドレミファミレド〜
♪ かえるの うたが〜
 
となりますが、
 
*このキーを「G」で歌うと、
 
陽子
♪ ソラシドシラソ〜
♪ かえるのうたが〜
 
 
となるワケです。
 
Cのキーの方が歌いやすいか、Gのキーの方が歌いやすいか。
あるいは別のキーか?を探せばいいわけです。
 
もし「ラ」から始まる”かえるの歌”が良ければ、「ラ」は「A」なので、
 
「次のライブでやる”かえるの歌”ですが、キーはAでお願いできますか?」
 
となるワケです。笑
 
 カンタンでしょう?
 
 
このようにその曲のトニック(主音)がわかれば、キー(調)がわかるので、それを基準に移調(キーチェンジ)していけばいいのです。
 
 その具体的なキー設定についてと、自分にとってベストなキーの見つけ方やキー設定のポイントについては、
次回、❷自分に合ったベストなキーを設定する方法【後編】でやっていきたいと思います。
 
お楽しみに〜(^-^)
 
 
 

まとめ

 
◆キーを合わせることは、より良いパーフォーマンスをしていくためには絶対必要。
自分に合ったキーで歌うことがボーカリストとしての義務。
 
◆ただし、楽器のレンジや弾き方によっては難しい場合もあるので、ある程度声が使えるようになることもボーカリストとしての義務。
 
◆原キーにこだわらず、自分の良いところを生かせるようなキーを設定する。真似ではなく自分の歌を歌おう!
 
◆トニック(主音)を掴めばキーがわかる!
ボーカルのキーの合わせ方

4 件のコメント

  • 今は原キーで歌えなくても引け目を感じなくなりましたが、以前は感じていました!

    後編の自分にとってのベストなキーの設定法、楽しみです!!

    • コメントありがとう!
      そうなんですよね。原キーで歌えないと下手。。。。みたいな。笑
      原キーはあくまでその歌手にあったキーというだけで、「標準」という意味ではありませんよね。

  • ささきひとえ先生、いつも、世ませて戴いてます。
    詳しく書いてくださっているので、とても分かりや水です。
    有り難うございます。 後編も楽しみにしています。

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