どうして力を抜いて歌えないの〜?思うように声が出ない、気持ちよく歌えない。。
力が入っているとだめ。。。これ、頭ではわかっているんです。でも、力んでしまう。
たとえば、深呼吸をしたり、脱力の方法などもいろいろあります。
・・・が、深呼吸がいくらできても、歌いだすと途端に力んで固まってしまうカラダ・・・・
力を抜いて歌いたいのに、体が言うことを聞かない。。。
この状態でいくらやっても、同じことの繰り返しです。
なのでまず、頭の中(意識)を変えていきましょう。
オレの場合そっちで頑張れない分、歌うとメッチャ力が入って、頑張って声出してるっていうか・・・・
ここでは、歌う時にどうしても拭いきれない<間違った思い込み>を明確にし、意識のリセットをしていきたいと思います。
歌う時の頭と体が一緒になるように、そしてできるだけ力を抜いて歌えるようになるために参考にしてください。
「力を抜いて歌う」ってことを疑ってない?
「力を抜いて歌いましょう。」そのことはあなたも知っているし、何度も耳にしているハズです。
でもそれはただ聞いたことがあるってだけで、力を抜いて歌っても大丈夫!って、本当にちゃんと理解しているかどうかは別。
あなたの心の奥底では、、、、
「そんなこと言ったって、力入れないと声出るわけないじゃん。」
「絶対力入れなきゃパワフルに歌えないから。」
「ラクして歌ったって人の心を打たないしぃ〜」
「あの歌手も全身全霊で歌ってるって言ってたよ」
・・・な〜んて、思ってませんか?
もしそう思っていたとしたら、あなたはやっぱり力を抜いて歌えません。
(これは、はっきり自覚していなくても、潜在的に思っている場合も含め。)
そして、断言しましょう。
必要以上にムダな力が入っている状態では、どんな人でもうまいこと歌えません。
頭や言葉で理解していても、あなた自身の心が、「力を抜いても大丈夫!」っていうことに心底、納得していないのであれば、無意識に力んでしまうからです。
これはある意味、当たり前のことです。
レッスンに来られる多くの方も、みなさん、心の底で疑っています。笑
『先生そう言うけど、そんなに楽してパワフルに歌えるわけないよね。
あのボーカルのライブ見てもすんごくパワフルに歌ってて、やっぱりそれがカッコいいわけだし、、、』
とかね。
私も以前はそう思ってました。
プロの歌を聴いて、きっとこんなふうに歌っているんだろうな〜と勝手に解釈して、それにはもっと声を出さなきゃ!って間違ったやり方をしたり。
パッと見、プロの歌い方を見ていると、皆さんけっこうだまされています。いろんな面で。
あ、騙されるなんて言い方は語弊があるか。
「表面的なところだけ見て勝手に誤解している」が正しいですね。
なので、間違った思い込みに気づいて、そこをリセットしていくことが必要。
ここをリセットしない限り、
いくら深呼吸をしても脱力法をやっても「もっと力を抜いて〜」なんて言われても
力が入ってしまうからです。
でも実際、どうですか?
心の底で疑っているのに目をそらしたまま、あれをやってみたり、これを試してみたり、頑張って練習している人、多くないですか??
力を抜いて歌うために、まず
声帯を上手に使うには【力は必要ない】ということを、頭で理解することがとっても重要です。
理屈として声の出し方や声帯のコントロールの仕方がつかめたら、
「力を入れなくても十分ラクに声が出せるんだ!」ということが納得できるハズ。
時間がかかる場合もありますが、心底理解できたら、あとは練習して体感を掴めばいいわけです。
私自身、ムダな力は必要ないと知っている今も、緊張などで力が入ることがありますが、声を出す上でヘンな力でムリに歌うことはなくなったし、コントロールできるようになりました。
どうして力が入ると声が出せないのか、それは言うまでもなく、
力が入ることで体が固まってしまうからです。
固まった体を動かすのは、思うようにいかないし大変ですよね。
声を出すことは、中にある自分の気持ちや思いやエネルギーを、外に動かして出していくこと。
エネルギーを放出していくことです。(強い弱いは別にして。)
それなのに体が固まってしまうと動きが止まってしまい、スムーズにいきません。
ただ、力は力でも、出力は大事!!!
この力と、固まる力は違います。ここがみなさん逆転してしまっています。
固まる力が入って身体中ロックさせれているんだけど、大事な大事な出力が全然かかってない。。。
という状態です。
必要な力(つまり出力、圧力、腹圧、プレッシャーなどと言う)はきちんとかけて、ムダな力を取り除く。
それがコントロールできるように。
今回は、歌うときに力を抜くための「4つのリセット法」ですので、さっそくムダな力の原因となっている意識や思い込みを、ひとつつずつリセットしていきましょう。
【1】『自分は歌えない』と思い込んで力が抜けない
ヘンに力が入ってしまう、はじめの思い込み。
それは「自分は歌えない。」「歌が下手…」という思い込みです。
自分の歌を認識するのは良いと思いますが、否定的になったり、なんとかしようと頑張って声を出そうとすると、力が入り体が固まってしまいます。
本当に歌えない場合もあるでしょうが、下手でもラクに歌うことはできます。笑
力を入れて頑張っても余計苦しいだけでさらにヘタなら、ラクに歌っても同じですよね。その方がいい!
もしあなたが「誰がどう判断しても自分は歌が下手。」と自信を持って言えるなら、悪あがきはやめましょう。
この際、腹をくくって堂々と下手な歌を歌ってください。
ですが、必要以上に自分の歌を否定したりダメだと思い込んでいると、その時点で出力がかからなくなってしまいますよね。
歌うことは出力がないと始まらないので、それではいい感じで歌っていくことができません。
また、どう歌っていいいかわからなくて、戸惑いながら歌ってしまう方も多いと思います。
声の使い方がわからないと言うだけで無駄に力んでしまうし、自分が何を歌っているか、音程が合っているのかどうかもよくわからないと、それが気になって、ストレスになってしまいます。
この場合も力を抜いて歌えません。
先日レッスンに来られた方も「自分は歌えない、声が出ない、歌がヘタ…」と思い込んでいて、それだけでもう力が入ってガチガチで、全然歌えていませんでした。
でも、どうしたらいいのか正しい声の使い方を説明し、どうイメージして歌うのかちょっとアドバイスしただけで、一気に力が抜けて声もスムーズに出るようになりました。
その日のうちにですよ。っていうか、2回目に歌った時に変わっていた!!
もう何年も歌えずに声を出すのも苦しかったそうで、本人も「え?え?何が起こったの??」と驚いていました。
「意外にわたし、歌えるかも!」と思えた瞬間でした。
このように「あ〜だから今までこんなに苦しんでたんだ〜!」と納得できると、それだけで力が抜けて歌が変わる人も少なくありません。
この方は初心者で素直な方だったので、意識がすぐに変わったんだと思いますが、いつも試行錯誤して歌っている方は、難しい場合もあります。
いろんな思い込みが入っていたり、「やってもできない」という失敗体験を繰り返していたりすると、なかなか素直に飲み込めないことも多いからです。
本当は力が抜けるだけで、どんな人も一瞬で変わることができるのですけどね(^-^)
まずはどうしてできなかったのか?どうすれば、力を入れずに声を使っていけるのか?をきちんと理解して、「できない」という意識を変えていくことが大切です。
【2】『上手く歌わなきゃ』と思うことで力が抜けない
これも、力を抜いて歌えない大きな原因。
実は歌の上手い人でも「上手く歌わなきゃ。」と思っているし、練習している人ほどそう思う傾向にあります。
上手く歌わなきゃと思った瞬間に、もう気持ちが構えてますよね?
上手くやらきゃ!は決して悪いことではないのですが、歌の場合は、自分自身が楽器なので、そのことで力がはいるとマイナスです。
ここであなたが知るべき重要な事実は・・・
誰もあなたの歌が上手いかどうかを聴きに来ているわけじゃない。
ということ。
そういう基準で普通の人は音楽を聞いていないですよね?
あなたが好きなアーティストのライブに行く時だって、それを確認したいから行くわけじゃないし、そこは大事じゃありません。
それに自分が気にしているほど、他人は自分のことなんか気にしていない。と思えば少しラクです。
私も以前は「先生なのに失敗はできない」とか「みんなより上手く歌わなきゃ」なんて思っていた時期もありましたが、そんなふうに思うのはきっぱりやめました。笑
当然、私より上手い人は5万といるし、日々、生徒さんたちの踏み台となって、どんどん先を越されています。笑
立場上、ある程度上手く歌う必要があるかも知れませんが、私はそんなこと、あまり気にしていません。
私はわたしなので、自分の歌を歌うだけです。
なので「上手く歌わなきゃ!」って思わずに、歌っていきましょう。
あなたが「上手く歌わなきゃ」と思っても思わなくても、あなたは今のあなたの歌しか歌えません。
そのことで力が入ってしまうなら、思う必要がありません。
大丈夫。上手く歌おうと思って上手く歌えるなら、誰も苦労しませんから(^-^)
【3】『この音は高い』という思い込みから力んでしまう
声を使う上で、これも力んでしまう原因の一つです。
たとえば、サビの高音。
なんとなくのイメージで、実際の音以上に
「高い!!!」と勝手に思っている人がなんと多いことか!
本当は余裕で出せる音なのに、「もうこれは高いから出せない。ムリ!」という思い込みで歌っているので、そりゃ、出ません。
通常、曲の中で使われている音域は、実際に出せる声域の半分くらいです。
曲にもよりますが、ボイトレではかなり高いところまで出せるのに、歌うと高く感じてしまうんですね。
そのイメージだけで、もう力が入ってしまいます。
たいして高くないのに
「来る来る!ヤバイ。あの高音がもうすぐくる!!」
なんて頑張る感たっぷりで待ち受けているので、力が入って当たり前。
これじゃぁどうしたら力んで歌えるか?の模範解答のようなものです。
さらに「やっぱりこのサビの高音は出せなかった。。。やっぱり出なかった。思った通り!」
なんて自分を納得させてしまうのです。
ボイトレの最中で力が抜けて上手く声が出ている時、
「これはあのサビの音と同じだよ〜」と伝えると「え??ホントですか!めっちゃラク〜〜。」と驚かれることがよくありあます。
でもそのあとに、「これだとできるけど、歌うとできないんですよね」と、また「歌うとここは出ない」というレッテルを自分自身で貼ってしまうのです。
多くの場合、実際の音よりかなり高いイメージを持って声を出していることがわかります。
どんどん高くなっていく音を、ストレスに感じるのではなく、どれくらいの高さなのかイメージできることが大事です。
そして、ちょっと意識を変えて、
「全然大丈夫!余裕で出せます(^-^)v」とか、
「あ〜あの高音が待ちどおしい❤」
くらいの気持ちで歌ってみてください。その方が力が抜けて簡単に出せたりしますから。
【4】『頑張って歌わなきゃ伝わない』と思い込んで力が抜けない
歌は魂!とか、全身全霊で思いを込めて歌う、とか言われるとなんとなく、頑張らなくちゃと思ってしまうのでしょう。
でも、魂=力 で何とかなるものではないし、全身全霊=力んで、ではありません。
ついつい頑張って力んでしまうこともありますが、頑張らなくても大丈夫です。
あなたの好きなボーカリストが激しく表現していたり、力一杯歌っているように感じるのは、頑張って声を出しているからではなく、
湧き上がってくる感情を、自由に歌に乗せられるだけの技術があるからです。
それには力が入っていてはできません。
上手く歌おうとするなとか、頑張って歌うなと言うと、まるで、向上心を持たずに手を抜いて歌えと言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
手を抜くのではなく、力を抜いて歌う。
力を入れるのではなく、気持ちを表す。
そしてなぜだか多くの人は「力を抜いて」と思うと「手が抜けて」しまいます。
かりに人前で歌うなら、 あなたの歌を聴いて何か感じてもらえるような歌を届けようとする気持ちが大事です。
なにを届けたいか?
あなたの歌からは、あなたの気持ちが伝わってきます。
上手く歌おうと頑張っていると、「あ〜頑張っているな〜」と言うことが前面に出て伝わってきます。
力を抜いて歌っていけるように、普段から歌うときは、頑張らずに歌っていく習慣をつけましょう。
まとめ
◆いくら「力を抜かなきゃ」と思っても、心の中で「力入れなきゃ出ない」と思っていてはやっぱり力は抜けません。
◆「力を抜いてもしっかり歌える!」ということを心底納得させるために、正しい声の使い方を学ぶことが大事。
◆「固まる力」ではなく、エネルギーを外に動かしていく「出力」が歌っていくにはとっても重要!
◆無駄な力が入ってしまう思い込みをリセットしよう!
力んで歌ってしまう人の意識のリセット法の【前編】ということで、4つの意識のリセット方について書いてきましたが、【後編】も参考に(^^)
今朝、検索で「声帯 力まない」とワードを入れたら、やはりひとえ先生の記事に辿り着きました。本当に日々救われています。ありがとうございます!
はじめまして。最近、先生のメルマガ読者になったものです。
今までアマチュアライブで本番では力が入って声が出なかったりピッチが狂うことが8割はあり、何度も挫けかけてきましたが、先生のブログを繰り返し読んで、特に力を抜くことと、メンタル面での整え方が役に立ち、先日のライブは上手く行きました、、、表現することってこんなことなんだと少し分かった気がします。
ありがとうございました。
ぼんのさん、はじめまして。コメントありがとうございました!
私のブログを参考にしていただいてありがとうございます。
上手く歌えない多くの原因は、力がはい入ってしまうことにあるので、ぼんのさんもそれによって音程を外してしまったり、声が上手く出せなかったりする確率を減らしていけるといいですね。
本当はできる!という気持ちを常に持って、自信に変えていってください(^-^)
もっともっと素敵に歌えます!