「地声の音域を広げたい」「高音も地声で歌えるようになりたい」と言ってレッスンに来られる方がたくさんいます。
その85%以上の人が、力の入った間違った発声で歌われます。
たとえばあなたは、 低音からスムーズに高音まで、ムリなくラクに声を出すことができますか?
・地声と裏声の切り替えがうまくいかなず、ギャップがついてしまう
・高い声になると地声で張り上げてしまい、喉もツライし聞いている方もツライ
・中音域で声が不安定になり、音程も外れやすい
・高い声が弱々しくなってしまうので 地声の音域を広げたい
・頑張って声を出しているわりには声量がなく、息も苦しい
・2〜3曲歌うと声が枯れてきて喉に負担を感じる
というような悩みを抱えている人も多いと思います。
もしあなたも同じように感じていて、そのためにやるべき練習法や解決策が見えていないのでしたら、まずやらなければいけないのは、正しく理解し、意識を変えることです。
意識がリセットされると、あとは練習。
・発声における<4つの間違い>をチェックし、
「とにかく地声で歌わなきゃ!」「高音も地声で!」という思い込みをリセットする!
・自由に声を使っていくために必要なことがわかる。
思うように声が使えないストレスから解放されて、気持ちよく歌っていきましょう!
【間違いその1】地声だと思っている「喉声」でとりあえず頑張る
はじめの間違いは、地声だと思っている喉声で頑張っていること。
まず疑って欲しいのは「その地声って、喉声じゃない?」ってことです。
あなたが地声だと思っている声は、喉声ではありませんか?
そもそも地声ではなく、喉声だったとしたら??
とくに高音に関しては、地声で歌おうと頑張るあまり、皆さんしっかり喉声になっています。笑
低い音はまぁ良いとして、高音になるほど、どんどん力が入って重くなってしまう。。。
このやり方では、音域は広がらないし気持ちよく声が使えませんよね。
そうなると、頑張って力の限り出すしかない!という<間違った道>へ突き進んでしまいます。
あ〜〜負のスパイラル。。。
喉声はよくないと知ってはいても、結局、そこにハマって抜け出せなくなっている人もたくさんいます。
頑張らなきゃ高音が出ない感じがして、いつも力んでしまって苦しいし、喉も痛いし。。。
ここまでは地声でいけるけど、なんとな〜くここからは裏声に逃げよう…みたいな。。。(^^:)
その切り替えがいわゆる【地声】VS【裏声】みたいなギャップとなって、ヘンな違和感や歌いずらさになってしまうのです。
そしてこの【地声】VS【裏声】って、実は
けっこうな確率で【ノド声】VS【ダメ声】だったりします。
だって、切り替えなんてする必要ありません。 それにはまず、あなたが思っている【地声】が【喉声】ではないかチェックしてみましょう。 単純に喉声か?そうでないか?というだけではなく、もっと細かく具体的に、基礎的な声について チェックすることも必要です。 高音になるほど苦しくなったり、息が足りなくなったり、喉が痛くなったり、壁にぶちあたったり、大声になってしまうなら、それは地声ではなく「喉声」です。 その喉声のままでは音域は広がらないので、力を入れて高音を出さないことが重要。 <地声>とは、頑張って出す負担のかかる声ではなく、声帯が閉鎖されていて無理なく振動できている<良い響の声>です。音程に関係ありません。 低〜中音域だと【チェストボイス】 しっかりとよく響くベストな声は、ムダな力を入れなくてもスムーズに出せるし、切り替える必要なんてありません。 高音になると地声で歌えない・・・と思っていませんか? ひと昔前は高音も地声(喉声)で、という風潮もあり、「いけるところまで地声で頑張って!」なんて言われた方も多いはず。 もし「高音も響きをキープしてしっかり支えて」という意味であれば、間違いではありません。 でもそれって、「地声」を正しく捉えて正しくコントロールできる場合のみ、通用するのかも。 「地声」=「喉声」になっている状態では、 さらに、「裏声にするのはダメ・・・」という認識を植えつけてしまいます。 とにかく地声ではなく喉声のまま高音を出すのは、声帯にも負担がかかり、ちょっとキケンなので「できるだけ地声で頑張る!」のはやめときましょう。 だってムリに頑張って出した声は、うるさいだけの大声になっていることが多く、聴いていても心地よくありません。 でも正しい声の出し方を知って、正しくイメージしながら声を出すと、びっくりするくらい高音もラク〜に出せるんですよ〜。 それはきっと、あなたも思っている以上に気持よくラクだと思います。 もしはじめから、「地声で高音は歌えないから切り替えなくては」と思いながら歌ってるとしたら、まずその意識を変える必要があります。 (*あえて切り替えるというか、使い分ける場合は別ですよー。) そもそも。なぜ、切り替えが起こるのか? 本来何の切り替えもなしにスムーズに声が使えたらいいのですが、それが上手くいかないのには原因があります。 まず、自分は声が低いとか、高音は地声で歌えないからムリ〜!と思っていると、それだけで上手く出せません。 ・・・が、それ以外に重要な問題があるのです。まずは初めにお話しした、 地声だと思っている喉声の低いポジションでは、高音に移行できないので、ある地点まで行くとひっくりかえったりして、勝手に切り替わってしまうというワケです。 喉声は自分もキツイし、音域も広がらないし、やっぱり苦しそうに聞こえてしまいますよね? さらに高音に行くにつれてどんどん力が入ってしまうと、声帯にも力が入って、上手く振動できなくなってしまいます。 声は声帯に息が通過するとき振動して声になるわけですが、その声帯に力が入っていると、振動させるのが大変。 でもそもそも、はじめから まさしく②の結果。無理な出し方の行き着くところは、「壁」。 大抵は、そのスムーズな声の出し方をつかめていないので、しょうがない。 ・「力を入れないと地声で歌えない」のは、それは喉声で、喉声には限界があるから。 ・「力を抜くと弱々しい裏声になってしまう」のは、 地声という言葉が誤解を生みやすいのでめんどくさいのですが、プロのしっかりした声は声帯が閉じられて力まずに振動しているヘッドボイスです。 それをマネしようと喉声になってしまうのでしょうが、頭では理解できても心のどこかで、 「でもプロは高音も地声でパワフルに歌ってるし、自分のこの声はやっぱり裏声じゃない?」 と疑い、喉声を貫いてしまう人もたくさんいます。いままで自己流で歌いこんで来た人ほど。。。 それに力で出していた喉声をやめて、全く違うルートで声を使っていくわけですから、はじめはちょっと違和感がある場合も。 でも実際、正しい発声で歌っているボーカリストは、そこで歌っています。 中には、喉声で張り上げて歌っている歌手もいるので、必ずしもプロはみんな大丈夫!というわけではありません。
そしてこの、喉声と地声の違いは一般の方が聞いただけでは判断が難しいので要注意ですね。 でも声のポジションが掴めると、今まで出なかった声がすぐにラクに出せるようになるので、 「信じられない!今までこの曲は苦しくて歌えなかったのに、こんなにラクに歌えてるなんて奇跡です!」 ムリのないスムーズな発声がつかめれば、全く新しい感覚でラクにしっかり声を使っていけるようになります! (ただし例外も! たいていの人は、自分が歌いたい曲を歌えるだけの音域を、充分もってるので大丈夫。 それにはもちろん練習が必要。 ピアノに合わせたりしなくても簡単にできて、しかも 効果的な練習法 があるので、こちらもぜひやってみてくださいね! カッコよく歌うには、それ以外のボーカルテクニックも表現力も必要だし、その声をパワフルに使っていくには支え(プレッシャー)がしっかりキープできることも重要なポイントです。 でもまずは「地声で歌わなきゃ!」という思い込みをリセットして、スムーズな声のラインをつかむことですね。 声が自由になるだけで、間違いなく歌のクオリティーは上がるし、音域も歌の幅も広がります(^^) あなたの歌はもっと良くなる! こちらも参考に!
はじめから切り替えなんてする必要のない【ベストな声】で歌うことができるんです!
あえて切り替えることはあっても、しょうがなく切り替えるのではありません。自由に声を使っていけるのです。
中音域だと【ミドルボイス】
高音域だと【ヘッドボイス】と言ったりします。【間違いその2】できるだけ地声で高い声を出す方が良い?
「え?このままもっと頑張ってムリして出さなきゃならないの?」と言う誤解になりかねないからです。
ホントは裏声がダメなのではなく、ムダな力を抜いたとたんに、喉声がダメ声になってしまう・・・っていう状態ですね。【間違いその3】地声と裏声の切り替えをしながら歌っている
①地声ではなく喉声になっていて、そのまま高音を出そうとしているから
②高音に行くにつれて、どんどん力が入っていくから
そうするとバランスが崩れ、ひっくり返ったり苦しくなったりするので「切り替えなくては!」と思うわけです。
そのバランスがスムーズに保たれていると、切り替える必要なんてないわけです。③スムーズなルートではなく、行き止まりの脇道に向かって声を出しているから
壁にぶつかったら進めないので、どうしても方向転換(切り替え)が必要になって来るのです。④スムーズな声の出し方をイメージできていないから
でもそのやり方を掴んでイメージできると、地声と裏声が自然に繋がり音域も広がります。
声帯がキープできずバランスが崩れて支えが効かなくなってしまうせい。【間違いその4】プロは地声で歌っていると思っている
地声だと思っている喉声のラインではなく、スムーズに声を繋げていけるラインで。
残念なことに、歳をとるにつれ高音が出なくなったり、声が昔よりダメになってしまう歌手も多いです。
もともとそれが自然な声の出し方なワケですから、不思議じゃないのですが。笑
「それには腹式呼吸が必要だ」とか、「横隔膜や腹筋を鍛えなきゃ」とか、「ミックスボイスがどうとか。。。」
そんな難しいテクニックなんかなくても、けっこう簡単にできるんですよ。
声帯結節やポリープなどと診断された方、変声期あたりの男子、更年期あたりの女子も、時期的にちょっとむずかしい場合もあります。。。。^^;)
あとは、その声を自由に自然に思い切って使えるようになることです。まるで子供のように(^-^)
まとめ
◆まずは、喉声になっていないかをチェック!
地声だと思っている喉声で頑張って高音を出しても音域は広がらない。
◆切り替えなんてしなくても自由に声を使って歌えるようになる!
◆プロは高音も地声を張り上げて歌っているという思い込みから解放される。
◆「力を入れないと地声で歌えない」のは、限界がある喉声で歌っているからです。
◆「力を抜くと弱々しい裏声になってしまう」のは、バランスが崩れて支えが効かなくなってしまうせい。
声帯がブレずに正しいバランスで支え(プレッシャー)がキープできると、低音から高音まで同じ響きで声を使っていけます。
◆そんなスムーズな声のラインを掴めば音域が格段に広がります。
勉強になります!
勉強になります。